どの業界の職種・仕事にも宿敵・難敵があると思います。それはさて置き…
森林作業道での宿敵は、ズバリ!「 水 」。
水と言っても、雨水・湧水等さまざま有りますが、特に雨水が最大の敵でしょう。
一旦、路面に水の通り道( 水道:みずみち )が出来てしまうと、水は勢いを増して作業道を削り路肩を
壊し、破壊の限りをつくします。
その為、こまめに排水処理 ( 水切り )を行う必要があり、やり方は幾つもあるでしょう。
丸太を使う・溝を掘る・ゴムを挟む・路面の横断勾配を利用する等… そして排水箇所の路肩にも配慮が必要。
ただ、同じ山の中ですら状況は、それぞれに異なる為、どの手法を用いるか現場での判断が求められる。
これが難しい、何故なら答えが無いから。
もちろん、経路選定の時点で全てを見通せれば完璧でしょうが、予期せぬ出来事が起きるのが ”山” でしょう
( そう!黒部第四ダム ”くろよん” の破砕帯の様に )。
それでも、安全な木材搬出が実現出来る様に、地形・土質・地物から最も有効である手段を絞り出す努力を
こちらでは行っています。不安定な道を材を積んでフォワーダーで走りたくは無いですよね、誰だって。
何事にも 100% と言うものは有りませんが 100% に近づける努力を惜しまなければ、それが何時しか
100% になっているのかも知れません。逆に ” まぁ、これで良いか “ と妥協してしまった場所に限って、
宿敵は其処をついてくるものです( そして呟く ” あぁ、やっぱりな… ” )。
長い目で見た場合にも、作設の時点でしっかり作っておいた方が良いと我々は考えています。